離婚協議書のはなし(その2)

弊事務所には、離婚協議書の案件がしばしば持ち込まれます。

今回のエントリーでは、離婚協議書について、一般的な事柄をご紹介いたします。

まずは、離婚協議書には何を書けばよいのか、から。

・夫婦二人が離婚に合意していること
・子どもの親権者を誰にするか
・子どもの面会交流はどのように行うか

この3つは絶対必要です。

・子どもの養育費について
・財産分与について

これも必要でしょう。

・年金分割をするのかしないのか
・慰謝料

このあたりは、必要に応じて。

これらの項目について、各自の状況に応じて、夫婦で話し合います。
例えば、養育費の支払い期間は一般的には子どもが成人する二十歳までですが、子どもを大学まで進学させたいと考えているなら二十二歳まで、あるいは大学卒業までにするというように。

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次は、誤解の多い事項についてです。

【その1】
強制執行については、誤解があると思います。強制執行できるのは金銭にかかわる事柄だけです。
子どもとの面会交流の条項があっても、面会の強制執行はできません。
金銭ではないから強制執行できないというのもありますし、子どもの福祉の面からも無理強いは禁物です。

(誤解の例)
妻が一人で来所。「月に2~3日、子どもを離婚後の夫に預けることができるという条項を入れたい」との要望でした。
よくお話を聞いていくと、夫は「子どもに会ってもいいが、自分の家に泊まらせるのは嫌」と言っているとのこと。
妻から「元夫が嫌がったら強制執行できるんですよね」と尋ねられました。
できませんとお答えしました。

【その2】
誤解とは言えないかもしれませんが。
「離婚協議書」は、別名「離婚給付契約書」ともいいます。
当事者が契約(約束)したことを明文にしたものが契約書です。離婚協議書は、夫婦間の契約書です。
契約書の大原則に、契約は当事者しか拘束しないというものがあります。
したがって、契約(約束)行為に参加していない第三者を契約書に登場させることはできません。

(誤解の例)
妻が一人で来所。養育費を取りはぐれないように、「別れた夫が支払わなければ夫の父(義父)に養育費を払ってもらう」という条項を入れたいとの要望でした。
この場合は、義父にも契約に参加してもらい、署名をもらわなければなりません。
「では義理のお父様からもお話しを伺いたい」と言ったら、「また来る」と言ってそれっきりでした。

なお、調べてみると、保証人を立てるような離婚協議書もあるにはあるらしいのですが、公正証書を希望する場合に公証人によっては拒否されることもあるそうです。

【その1】【その2】のどちらも、妻が一人で来所なさいました。
前回のエントリーに詳しく書いてありますが、行政書士は弁護士と違い、妻または夫のどちらか一人の代理はしません。
つまり妻や夫のどちらかに肩入れして片方に都合の良い契約書を作ったりはしません。
弊事務所には妻と夫がそろってお越しくださるとありがたいです。

【その3】
誤解で一番多いと思うのは、公正証書についてです。離婚協議書と公正証書が別のモノだと思っていらっしゃるようです。

離婚協議書は、作成方法によって次の2タイプがあります。
1.夫婦自身で作る離婚協議書(行政書士などに離婚協議の内容を伝えて、文案・書面の作成依頼をする場合も含む)
2.公証役場で作る離婚協議書

項2が公正証書であり、且つ離婚協議書です。別のモノではありません。

公正証書とは、公証人という公務員が作成する文書で、公文書としての証明力と執行力を持っています。
このため公正証書に前出の強制執行の認諾文言を入れておくことで、養育費などの金銭債務の支払いが滞ったときに容易に強制執行ができるようになります。

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