令和2年4月1日から風俗営業店を含む飲食店の屋内は原則喫煙できません|既存店に対する特例有り

この記事は、風営法の適用を受けている飲食店向けです。

健康増進法という法律により、受動喫煙を防止する目的で、令和2年4月1日から風俗営業を含む飲食店の屋内は原則喫煙できないことになります。
「屋内」禁煙ということは、オープンテラスのような場所では喫煙可ということですが、風俗営業店がオープンテラスであることは有り得ないので、風俗営業の社交飲食店(料理店)は原則禁煙にしなくてはなりません。「原則」というからには「例外」がある訳で、「喫煙室でのみ喫煙可」が例外になります。

喫煙室には以下の2タイプがあり、屋内で喫煙可能にするには、たばこの煙の流出防止措置がとられた喫煙室を設置しなければなりません(既存店には特例がありますので、慌てず最後まで読んでください)。

    1. 喫煙専用室
      • 紙巻たばこOK
      • 加熱式たばこOK
      • 飲食NG(スマホ操作すらNG)
      • 従業員を含む20歳未満立入禁止
    2. 指定たばこ専用喫煙室
      • 紙巻たばこNG
      • 加熱式たばこOK
      • 飲食、スマホ操作等はOK
      • 従業員を含む20歳未満立入禁止

風俗営業店は、食事を主目的とする飲食店と異なり、客室で喫煙できることもお店の機能の一つだと考えられますので、なかなか辛いところだと思います。
「喫煙できないから、この店に行かない」などという方もいらっしゃるかもしれません。店外に出れば喫煙可能か?といえば、条例によって路上喫煙禁止になっている場所も多く、近隣から警察に通報されてしまうことがあるかもしれません。やはり喫煙者の方には喫煙室に入っていただくしかありません。

喫煙室の設置にかかる費用については、助成金の制度もありますが、労働者災害補償保険の適用事業主であることが条件になっています。

さて、既存店に対する特例の話しです。少々条件が付きますが、既存店では従来通り、客室で喫煙可能にすることができます。喫煙しながら、飲食OK、お店のキャストとの歓談OKです。

(条件)

  1. 令和2年4月1日時点で現存するお店であること
  2. 個人事業、または中小企業(資本金・出資金が5,000万円以下)であること
  3. 客室面積が100平方メートル以下であること
  4. 従業員を含め20歳未満立入禁止にすること
  5. 所定の書類を備え付けること
  6. 喫煙可能店であることの標識を出入口付近に掲示すること
  7. 看板等に喫煙可能店であることを表示すること
  8. 所定の届出書を提出すること

項4の「20歳未満立入禁止する」ことは、18~19歳の飲食客を失うことなので、経営判断が必要です。

なお、既存店の特例で、客室を区切り飲食OK・歓談OKの喫煙可能室を設けて、喫煙可能室以外の席で18~19歳の飲食客を受け入れることも可能ですが、そもそも客室を区切ることは、風営法上の構造設備の変更に当たるので、現実的ではないと考えます。

まとめます。
・令和2年4月1日以降に風俗営業の飲食店を出店する場合は、喫煙室を考慮して、風俗営業許可申請を出すこと(風営許可を受けた後に喫煙室を設置することは、構造設備の変更に当たる場合があります)
・令和2年4月1日時点の既存店では、特例を活用することを検討すること

今まさに新規出店を考えていらっしゃる方は、残り3か月を切っていて苦しいのですが、速攻で風俗営業許可申請を出して、既存店の特例を受けることも検討なさってください。

最後に宣伝ですが、弊所では、既存店の特例をご希望の方向けに、以下のセットを12,800円で提供します。ご興味のある社交飲食店(料理店)の経営者様は、弊所に電話してください。

  • 法律の概要説明
  • 標識の準備
  • 届出の手続き(千葉県は令和2年1月6日から受付開始です)
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お弁当屋さん必読|容器包装のポジティブリストの話し

令和2年6月1日施行といえば、飲食店HACCPです。
過去ブログ1:飲食店HACCPは令和2年6月1日から義務化で待ったなし
過去ブログ2:飲食店HACCPの話し

お弁当屋さんに関しては、飲食店HACCPに加えて、もう一つ気にしなければならないことがあります。それは、お弁当の容器包装(=弁当箱など)です。

現在は禁止されていない物質を用いた容器包装が使用可能ですが、令和2年6月1日以降は以下のa・bいずれかに該当する容器包装のみが使用可能になります。

a.使用可能としてリスト(これをポジティブリストという)に記載されている物質を用いた容器包装

b.ポジティブリストには記載されていない物質が、人の健康に問題のないように用いられた容器包装

お弁当屋さんでは容器包装(=弁当箱など)を仕入れていると思いますが、容器包装を仕入れている取引先の容器包装が上記aまたはbに対応していないと、お弁当屋さんではお弁当の中身(料理)は作れても、容器包装(=弁当箱など)がなくて販売できないということが起きる可能性があります。

以下に、お弁当屋さんの視点で3つポイントを書きます。

1.法律の根拠(条文の引用は「食品衛生法」です)

第五十条の四 第十八条第三項に規定する政令で定める材質の原材料が使用された器具又は容器包装を販売し、又は販売の用に供するために製造し、若しくは輸入する者は、厚生労働省令で定めるところ(=令和元年11月7日官報号外153号厚労省令68)により、その取り扱う器具又は容器包装の販売の相手方に対し、当該取り扱う器具又は容器包装が次の各号のいずれかに該当する旨を説明しなければならない
一 第十八条第三項に規定する政令で定める材質の原材料について、同条第一項の規定により定められた規格に適合しているもののみを使用した器具又は容器包装であること
二 第十八条第三項ただし書に規定する加工がされている器具又は容器包装であること

平易に言い直しますと、容器包装の販売者(製造者、輸入者を含む)は、上述aまたはbに該当することを、販売先に説明しなければならない、となります。
お弁当屋さんの立場から言うと、容器包装の販売者が上述a・bの説明をすることができなければ、容器包装を仕入れる訳にいかない、となります。

2.ポジティブリストの範囲

ポジティブリストの範囲は、合成樹脂だけです(令和元年10月9日官報108号政令122号)。
合成樹脂とは、プラスチックやビニール等と考えていただいて結構です。
ポジティブリストが発表されるのは令和元年12月の予定ですが、リスト案を厚労省のWEBページhttps://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_05148.htmlで見ることができます。
紙、ゴム、金属、ガラス等は範囲外です。これらを原材料とする容器包装は、従来通り使用可能です。
注意が必要な場合として、例えば、一見したところ紙だけれども、合成樹脂が貼って(塗って)あるなどの加工がある場合、インクや接着剤が使用されている場合などが考えられます。

3.令和2年6月1日になったら、お弁当屋さんが既に仕入れている容器包装も使えなくなるのか?

令和2年6月1日の時点で、既に手持ちの容器包装は、上述a・bを満たしていなくても、そのまま使用することができます。
令和2年6月1日までに製造され容器包装の販売者の倉庫にあるものを、同日を過ぎてお弁当屋さんが仕入れることも問題ありません。
根拠は、以下の条文です。

附則
(器具及び容器包装の規制に関する経過措置)
第四条 この法律の施行の際現に販売され、販売の用に供するために製造され、若しくは輸入され、又は営業(食品衛生法第四条第七項に規定する営業をいう。)上使用されている器具(同条第四項に規定する器具をいう。)及び容器包装(同条第五項に規定する容器包装をいう。)については、新食品衛生法第十八条第三項及び第五十条の四(第二条の規定の施行の日(以下「第三号施行日」という。)以後にあっては、同条の規定による改正後の食品衛生法(以下「第三号新食品衛生法」という。)第五十三条)の規定は、適用しない

まとめを書きます。

お弁当屋さんは、容器包装の販売者さんに「ポジティブリストへの対応はどうなっていますか?」と、今すぐに聞いてみてください。

そして、令和2年6月1日以降も安定的に容器包装を確保できるか、今から検討を始めることをお勧めします。

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飲食店HACCPは令和2年6月1日から義務化で待ったなし

かねてより本ブログでご案内している「飲食店HACCP」が令和2年6月1日から義務化されます(令和元年10月9日官報108号政令121号)。

令和2年6月1日といえば、あと7か月です。

間違わないでいただきたいのは、令和2年6月1日になったら始めれば良いのではなくて、令和2年6月1日時点で既に始めていなくてはならない、つまり6月1日より前から準備をしなければならない、ということです。

既に保健所によっては、飲食店営業の新規許可申請を出すと、実地検査の時、保健所職員の方から申請者に対して「飲食店HACCP」に関するパンフレットを渡しつつ制度の概略を説明し「HACCP文書を作ってくださいね」と指導を始めているところもあります。

令和2年6月1日からは、飲食店営業の更新許可を申請すると、保険所で「HACCPへの取り組みはどうなっていますか?」「HACCP文書を見せてください」と言われることになります。HACCPに取り組んでいなくても(HACCP文書が存在しなくても)、飲食店の更新許可が貰えない訳ではありませんが、確実にHACCPに関する指導を受けます。

さて、ここで復習です。「飲食店HACCP」とは、どのようなものであったでしょうか。

平成30年6月13日官報号外126号法46から引用です。

第五十条の二 厚生労働大臣は、営業(器具又は容器包装を製造する営業及び食鳥処理の事業の規制及び食鳥検査に関する法律第二条第五号に規定する食鳥処理の事業(第五十一条において「食鳥処理の事業」という。)を除く。)の施設の衛生的な管理その他公衆衛生上必要な措置(以下この条において「公衆衛生上必要な措置」という。)について、厚生労働省令で、次に掲げる事項に関する基準を定めるものとする。
一 施設の内外の清潔保持、ねずみ及び昆虫の駆除その他一般的な衛生管理に関すること。
二 食品衛生上の危害の発生を防止するために特に重要な工程を管理するための取組(小規模な営業者(器具又は容器包装を製造する営業者及び食鳥処理の事業の規制及び食鳥検査に関する法律第六条第一項に規定する食鳥処理業者を除く。次項において同じ。)その他の政令で定める営業者にあつては、その取り扱う食品の特性に応じた取組)に関すること。

上記の太文字の「小規模な営業者にあつては、その取り扱う食品の特性に応じた取組」が、このブログでいう「飲食店HACCP」です。ファミリーで切り盛りしている飲食店は、「飲食店HACCP」が適用されると考えていただいて差し支えありません。

また、一般的な誤解で「飲食店HACCPには一年間の経過期間がある」というのがあります。その誤解がどこから来ているかというと、以下の条文ではないかと思います。

(新食品衛生法第五十条の二第二項) 営業者は、前項の規定により定められた基準に従い、厚生労働省令で定めるところにより公衆衛生上必要な措置を定め、これを遵守しなければならない。
附 則
(公衆衛生上必要な措置に関する経過措置)
第五条 新食品衛生法第五十条の二第二項(第三号施行日以後にあっては、第三号新食品衛生法第五十一条第二項)に規定する公衆衛生上必要な措置については、施行日から起算して一年間は、旧食品衛生法第五十条第二項の規定により定められた基準によることとする。

ここで言っている「一年間」とは、新法では厚生労働省令で基準を定めるところ、旧法の条例による基準に従う期間ということです。「飲食店HACCP」の開始に一年間の猶予期間があるのではありません。

まとめを書きます。

「飲食店HACCP」は令和2年6月1日の義務化で、待ったなしです。

弊所には「飲食店HACCP導入サービス」があります。「飲食店HACCP」の導入にお困りの飲食店様は是非弊所にご相談ください。

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個人名で取った許可は、その人が社長であっても会社の許可ではない、という話し

結構しばしばある間違いに、社長個人名義と会社(法人)名義を同一視している、というのがあります。

たとえば、こんな会話です。

個人事業のお客様:建設業許可が取れたら、さらなる飛躍のために会社(法人)を設立することを考えています。

私:でしたら建設業許可を取る前に会社設立をしましょう。

個人事業のお客様:えっ!?とりあえず建設業許可が欲しいです。建設業許可さえあれば、直ぐにでも大きい仕事を受注できそうだからです。

このブログをお読みいただいている方に、状況を少し説明します。

このお客様は個人事業で建設業を営んでいて、個人事業主としての個人の名前で建設業許可を申請しようとしています。建設業許可が取れれば業績も伸びるだろうから、許可を取った後は個人事業を止めて、法人として大きくやりたい、と言い出した場面です。

会話は続きます。

私:法人で建設業許可を取り直す必要があります。

お客様:ん?私が今許可を取って、私が社長になります。ダメなのでしょうか?

タイトルにあるとおり個人名で取った許可は、その人が社長であっても会社の許可ではないのです。個人事業主が個人の名前で取得した許可は個人事業主のものであり、その個人事業主が設立した法人であるからといって、法人が許可を持っていることにはなりません。法人は法人の名前で建設業許可を取り直す必要があります。

同じパターンですが、もう一つ紹介します。

風俗営業を営むお客様です。

開業して暫くは個人事業主として頑張って、経営が軌道に乗ったら法人化する計画が当初からあったそうです。このことは税理士さんにも相談してあり「法人成り」という説明を受けていたようです。

私:法人で風俗営業許可を取り直す必要があります。

お客様:えっ!?許可を取り直す間、営業できないじゃない!!

個人事業主名義の風俗営業許可は、あくまでも個人事業主のものであり、この個人事業主が設立した法人であっても、その法人が風俗営業許可を持っていることにはなりません。

このような間違いを防ぐために、許可・届出・登録などが必要な業種の方は、税理士さんや経営コンサルタントさんに相談に行く前か、または同時に、行政書士にもご相談ください。行政書士に相談していなかったために、上述の許可名義の問題以外にも、いろいろな問題が発生しています。

お客様が同業の仲間同士で許可・届出・登録について情報交換している場合もありますが、一般論としては正しい情報でも、個別の事情を抱えるお客様に適合する情報である保証はありません。ぜひ、行政書士にご相談ください。

最後になりますが、許可に関することで、ある経営者さんが私に向かって呟きました。

俺、スタートから間違ってたのかぁ。はぁ~(ため息)。

今回は以上です。

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動物取扱業登録の話し

動物を取り扱う事業を行うには、第一種動物取扱業の登録を受ける必要があります。根拠となる法律は、「動物の愛護及び管理に関する法律」(昭和48年法律第105号)です。どのような事業を行う場合にこの登録を受ける必要があるかは、行政のWEBページに例示があります。また、例示にないもので、私が思い付くものに猫カフェなどがあります。
(千葉県)https://www.pref.chiba.lg.jp/eishi/pet/doubutsu/animal-business.html

さて、この第一種動物取扱業の登録ですが、登録を受けるためにクリアしなければならない条件があります。条件をクリアしなければ登録を受けられないということは、実施的には許可を受けるのと同じ意味合いです。しかし、許可ではなく単なる登録なので、行政から「動物取扱業を行って宜しい」というお墨付きをもらっていることとは異なります。つまり、登録したことにより行政の監督下に入り、定められルールを守りながら責任ある事業運営を推進する立場に置かれることになると考えられます。

その登録のための条件ですが、以下の2つが主なキーワードになると思います。

  1. 動物取扱責任者
  2. 飼養施設

項1の動物取扱責任者については、半年以上の実務経験がある、1年以上の学校教育を受けて卒業した、資格を得ている、の3つうちのいずれかを満たしている必要があります。実務経験や学校卒業が難しい場合には、資格を得る道があります。取り扱うことできる動物が犬限定でよければ、1日のみの講習+試験で得られる資格もあるようです。全ての種類の動物を取り扱うことのできる資格もあります。自治体によって認めている資格が異なる場合があるようなので、それぞれの自治体にて確認が必要です。千葉県の場合は、以下のURLの通りです。https://www.pref.chiba.lg.jp/eishi/pet/doubutsu/documents/sekininshasikaku181204.pdf

項2の飼養施設については、備えるべき設備が定められています。その設備とは、ケージ等、照明設備、給水設備、排水設備、洗浄設備、消毒設備、廃棄物の集積設備、動物の死体の一時保管場所、餌の保管設備、清掃設備、空調設備、遮光等の設備、訓練場です。日中帯しか動物がいない施設では照明設備は不要、訓練を行わない施設では訓練場は不要などの場合がありますが、相応の設備が必要です。
また、飼養施設の構造にも規定があります。たとえば、ねずみ・はえ・蚊・ノミ等の侵入を防止できる構造であること、床・内壁・天井・附属設備は清掃が容易である等衛生状態の維持及び管理がしやすい構造であること、などです。

最後になりますが、第一種動物取扱業の登録を受けるために作成する書類は、それほど難しい書類ではありません。それでも登録のための条件を満たしているかどうか、法令等がどうなっているかなど、迷うことがある場合には是非弊所にご相談ください。

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墓地、埋葬等に関する法律の話し|焼骨をお墓に入れるのに許可は要るのか?

この法律は、少しだけ分かりにくい部分があるので、整理しておきます。

その分かりにくさは「埋蔵」「収蔵」の定義に起因していると思います。「埋蔵」「収蔵」の定義が曖昧なまま、法律を読み進めると、ある疑問が生じます。

その疑問とは「土葬で死体をお墓に入れるのに許可を受ける必要があるのに、火葬で焼いた骨をお墓に入れる許可に関する記述はどこにあるのか?」です。分かっている人にすれば「そんなバカな」という感じだと思いますが。でも、そんなにバカな話しでもないことは後述します。

この法律の第2条では、「埋葬」「火葬」とその他の語が定義されています。

「埋葬」とは「死体を土中に葬ること」、「火葬」とは「死体を葬るために、これを焼くこと」とされています。

さて、「埋葬」は一般的にいう「土葬」のことであるのは分かります。対して「火葬」も一般的な言葉であるので、これも分かります。

では、火葬で焼いた骨をお墓に入れることを法律語で何というのか?

これが「埋蔵」であり「収蔵」です。

「埋蔵」ついては第2条第3項の「墳墓」の定義で「焼骨を埋蔵」と出てきますし、「収蔵」については同条第6項の「納骨堂」の定義で「焼骨を収蔵」と出てきます。

つまり「埋蔵」「収蔵」は「火葬で焼いた骨」を対象にしていることが分かります。これが分かったところで第14条に進みます。

第14条 墓地の管理者は、第8条の規定による埋葬許可証、改葬許可証又は火葬許可証を受理した後でなければ、埋葬又は焼骨の埋蔵をさせてはならない。

第14条によれば、火葬許可証があれば焼骨の埋蔵までできると読めます。つまり、火葬で焼いた骨をお墓に入れるための単独・独立の許可というものは無い、ということになります。

「バカな話し」云々と前述しましたが、過去にある地方自治体から「火葬の場合同法第8条による許可証を交付する場合、「火葬許可証」のみでよいか。」という質疑が出され、回答も出ています(昭和42年3月7日環整第5015号)。この質疑は、墓地の管理者は火葬許可証があれば埋蔵してOKか?役所としては火葬許可証の他に埋蔵のための許可証を出さなくてよいのか?という趣旨です。私以外にも「火葬で焼いた骨をお墓に入れる許可が必要なのでは?」と質問した行政の職員さんがいた訳です。

蛇足的ですが、
第16条第2項 火葬場の管理者が火葬を行ったときは、火葬許可証に、省令の定める事項を記入し、火葬を求めた者に返さなければばらならない。

省令で定める事項とは「日時・署名・印」のことで、火葬場の管理者から返却された火葬許可証を墓地の管理者に提示すれば、焼骨をお墓に入れてもらえます(埋蔵)。「収蔵」についても同じで、第14条第2項に記述があります。

話しが前後してしまうようですが、火葬許可証は、死亡者本人の本籍地、届出をする人の所在地、死亡した地の市町村長が交付してくれます(第5条第2項)。

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建設業法の改正の話し|経営管理者の要件緩和など

令和元年6月12日、建設業法及び公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律の一部を改正する法律が公布されました(官報号外第33号・法律第30号)。施行は公布の日から1年6か月以内(技術検定関係等の一部は2年以内)ですので、未だ施行されていません。

建設業法と入契法の2つ法律の改正ですが、ポイントは3つです。

  1. 建設業の働き方改革の促進
  2. 建設現場の生産性の向上
  3. 持続可能な事業環境の確保

これらの改正が行われるのは、長時間労働が常態化している、現場の人材に限りがある、後継者難で建設業者が減少している、といった背景があります。

弊所は行政書士ですから、今回の改正を建設業法の「建設業許可」に注目して見てみます。

経営管理者の要件緩和

現在は過去5年以上の経営管理業務の経験が必要であるが、今後は経営管理を適正に行う能力を有していればOKとなる。つまり、能力さえあれば、5年を待たなくて良い。

事業承継がスムースに

事業譲渡・合併分割では事前に、相続では被相続人の死亡後に、それぞれ認可を受けることでスムースな事業承継ができる。

※現在は、親が建設業許可を有する個人事業主で、子が親のもとで働いていた場合、親が死亡すると建設業許可を手放す(廃業届を提出する・法第12条1号)しかありません。子は、改めて自分の名で建設業許可を取り直すことになります。

元請の監理管理技術者の兼任容認

元請が置くべき専任の監理技術者に、専任の補佐がついている場合は、監理技術者は複数現場の兼任が容認される。

下請の主任技術者の設置不要化

一定未満の工事金額などの条件を満たす場合に限られるが、元請の置く主任技術者が、下請が置くべき主任技術者の職務も兼任してくれる場合は、下請は主任技術者を置かなくてOKとなる。なお、更なる下請契約は禁止となる模様。

下請の標識掲示の不要化

現在は工事現場には建設業の許可業者である旨の標識を掲げる義務があるが、今後は下請の標識掲示義務がなくなる。

社会保険への加入徹底

社会保険に未加入の場合は、建設業の新規許可・更新許可が認められなくなる(法の条文には見つけられないのですが、おそらく政省令で仕組みを作るのだと思います)。

※現在は、社会保険未加入でも、一旦は新規許可が出ます。新規許可が出た後、社会保険に加入するように指導があり、その指導に従うことになります。

 

建設業許可の視点から見ると、だいたい以上だと思います。今後、政省令が整備され、もっと詳細なことが分かると思います。繰り返しになりますが、この改正は未だ施行されていませんので、お間違えのないようにお願いします。

最後にいつもの宣伝ですが、建設業許可申請手続きは、弊所にお任せください。

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だんだん見えてきた食品営業許可の見直しと食品営業届出制度の創設

平成30年6月13日、食品衛生法等の一部を改正する法律(官報号外126号・法律第46号)が公布されていました。

食品衛生法等の「等」とは、「食品衛生法」「と畜場法」「食鳥処理の事業の規制及び食鳥検査に関する法律」の3つなのですが、食品衛生法に関していえば、以下の7項目が改正になっています。

  1. 広域的な食中毒事案への対応強化
  2. HACCPに沿った衛生管理の制度化
  3. 特別注意を必要とする成分等を含む食品による健康被害情報の収集
  4. 国際整合的な食品用器具・容器包装の衛生規制の整備
  5. 営業許可制度の見直し、営業届出制度の創設
  6. 食品リコール情報の報告制度の創設
  7. 食品等の輸入及び輸出

項2については、この法律が公布されて早々に飲食店HACCPの話しで紹介しました。

今回は、項5の「食品営業許可の見直しと食品営業届出制度の創設」の全容がだんだんと見えてきたという話しです。

施行に向けたスケジュールは、2019年前半に政省令の公布、2019年後半に自治体条例改正、2021年に施行、ということになっています。そして、2019年前半も終わろうとしている今、全容が見えてきたという訳です。

要約すると、以下のような感じです。

  • 食品の製造業、調理業、加工を伴う販売業等は、許可が必要。
  • 温度管理等が必要な包装食品の販売業、保管業等は、届出が必要。
  • 常温で保存可能な包装食品のみの販売業等は、許可も届出も不要。
  • 従来の34の許可業種は、再編する。
  • 従来は自治体が独自に施設基準を定めていたが、厚労省令で統一的な施設基準を定める。

具体的には、あまりにも多岐に渡る内容なので紹介のしようもありませんが、ほんの一部の例を挙げると、

  • 従来はなかった「漬物製造業」が許可業種になる。
  • 消費期限表示の対象となる食品(弁当を含む)の販売業は、届出の対象となる。
  • 野菜果物販売業(つまり八百屋さんです)は、届出の対象になる。ちなみに八百屋さんは全国に14万件以上あるそうで、この14万件が一斉に届出をする必要に迫られることになるかもしれません。
  • 少々毛色が違いますが許可関係として、許可更新の際の申請書に「HACCPの取組」を記載することになる。つまり、HACCPの取組をやっていないと、申請書を書けないことになるかもしれません。

お断りしておきますが、まだ政省令は公布されておらず、これらの具体例は案の段階ですので、お間違えのないようにお願いいたします。

私が見ているのは、厚労省のWEBページです。
このWEBページには、まだ案の段階ですが、再編後の許可業種や届出対象業種について、その具体的な業種の資料もあります。
また4月26日の「食品の営業規制に関する検討会とりまとめ(政省令関係事項)」という資料は、とても興味深い資料です。

最後に宣伝ですが、食品営業に関する行政手続きは、弊所にお任せください。

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登録解体工事講習の話

建設業許可における業種として、平成28年6月から解体工事業が追加されたことは、建設業の皆様の間で比較的知られていることだと思います。

ここで、解体工事業の専任技術者に平成27年までに合格の以下のいずれかの資格者を充てる(充てている)場合は、「解体工事に関する実務経験1年以上」または「登録解体工事講習の受講」が必要とされています。

  • 1級土木施工管理技士
  • 1級建築施工管理技士
  • 2級土木施工管理技士(土木)
  • 2級建築施工管理技士(建築または躯体)

期限もあります。「解体工事に関する実務経験1年以上」または「登録解体工事講習の受講」を証明し、有資格区分の変更届を令和3年3月31日までに提出する必要があります。

タイトルになっている「登録解体工事講習」について紹介します。

現在は、2つの機関が講習を実施しています。以下のURLは、国土交通省です。
http://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/totikensangyo_const_tk1_000126.html

講習開催の案内です。

詳しいことは分かりませんが、いずれの機関も講習は1日で終了(4時間強程度)のようです。

繰り返しになりますが、「講習を受けたから安心」とはなりません。講習を受けて、その旨の「変更届」を提出して完了です。この変更届を提出しないと、令和3年3月31日以降に解体工事業許可を失いますから、注意が必要です。

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ここから先は、同業の行政書士の先生向けの話です。

上述の話に関連して、平成27年までに取得した1級建築施工管理技士の資格者を専任技術者に充て、解体工事業を含む複数の業種の許可申請をしようとしました。

その際、専任技術者証明書(様式第八号)の有資格区分(65)に「2A」つまり「1級建築施工管理技士(附則第4条該当」)を記載したところ、ある土木事務所窓口において「2A」「20」を併記するよう補正がありました。

詳しくは分かりませんが、「2A」は解体工事業のみに使用するコードということなのかもしれません。また、ローカルルールも存在するでしょうから、何とも言えないのですが、一応同業者様向けにご紹介しました。

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産業廃棄物収集運搬業の許可更新|2019年更新講習会と許可更新申請の時期

産業廃棄物収集運搬業の許可をお持ちの方はご記憶にあると思いますが、この許可を取得するために、講習会を受講なさったと思います。許可を更新するにあたっても、更新講習会の受講が必要です。

この更新講習会の2019年度の開催日程が発表になっています。千葉県での講習会の開催日程は、以下の通りです。

  • 2019年4月24日(水)千葉県教育会館
  • 2019年5月21日(火)千葉県自治会館
  • 2019年7月12日(金)千葉県自治会館
  • 2019年9月19日(木)千葉県自治会館
  • 2019年11月29日(金)千葉県自治会館
  • 2020年1月30日(木)千葉県自治会館
  • 2020年3月19日(木)千葉県自治会館

申し込み先は、(一社)千葉県産業資源環境協会です。

皆さまのご記憶では(一社)千葉県産業廃棄物協会であると思いますが、平成30年に名称が変更になっています。また、所在地も移転していて、千葉市中央区中央3丁目になっていますので、窓口で申し込まれる方はご注意ください。

更新講習会の修了証の有効期限は2年です。現在有効な許可の有効期限を確認して、2年を切ったら、更新講習を受講することをご検討ください。

講習会は全国共通で、他県でも受講できますが、混雑等により千葉県でも他県でも受講できないことも有り得ますので、早め受講をお勧めします。

混乱のないよう記述しますが、この記事には2つの「有効期限」が出てきています。

  • 講習会の有効期限
  • 許可の有効期限

「許可の有効期限」は、この期限を過ぎたら許可切れで、その後は収集運搬業を営むことができません。「講習会の有効期限」は、更新講習の場合は2年間有効で、この2年以内に許可の更新をする必要があります。

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もう一つ、許可の更新申請手続きを行う時期について触れておきます。

法令等の条文には、「許可の有効期間が満了する日の●日前から●日前までに申請してください」というような文言はありません。

千葉県の案内によると、「許可の有効期限の3か月前の月から申請の受付をしておりますので、許可の有効期限の日までに許可が得られるよう、余裕をもって申請してください」となっています。

千葉県の標準的な審査期間が60日なので、3か月前から2か月前までの間に許可の更新申請手続きを行えば、従前許可の有効期限の日までに更新の許可を得ることができることになります。

なお、許可の有効期限の日まで2か月を切ってしまうと許可の更新が受けられない、ということではありません。許可の有効期限の日までに許可の更新申請をすれば、間に合います。更新の許可を得る前に、許可の有効期限の日を過ぎてしまっても、更新の許可・不許可が決まる日までは従前の許可が有効ですので、業務を続けることができます。

そうは言っても、やはり余裕があることに越したことはありません。行政書士に許可の更新申請手続きをご依頼いただく場合は、許可の有効期限の4~5か月くらい前にご連絡いただくと、スムースに手続きが進みます。

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