不動産登記事項証明書が先か公図が先か、という話し|道路占用許可・道路使用許可の宣伝付き

行政書士として許認可業務を行っていると、その許認可業務に関連して、土地の所有者を調べる場面があります。
普通は、登記所に行ってブルーマップを見て地番を特定し、土地の登記事項証明書の交付を受けて、所有者を調べます。
別の方法では、大きい図書館ではブルーマップを置いてある場合があり、図書館で地番を特定し、法務省のシステムで登記事項証明書をネット申請する場合もあります。
今まで、これらの方法で土地の所有者を調べていて、何も問題はありませんでした。今までは…… 

今回の問題は、登記事項証明書に広大な土地(更地)を分筆した旨の記載を見つけたときに気付きました。
所有者を調べたかった土地は極僅かな面積だったのですが、登記所でブルーマップを見たときは、この僅かな面積の土地は広大な土地の一部として一筆でブルーマップに記載されており、そこに記載されていた地番を信じて登記事項証明書の交付を受けました。

しかし、登記事項証明書には分筆により新しい地番が振り出された旨が記載されており、所有者を調べたい僅かな面積の部分がブルーマップの地番の通りであるとは言えなくなりました。
こうなったら、公図の交付を受け、分筆された土地の位置関係と新しい地番を確認し、新しい地番が付与されていた場合には、登記事項証明書も取得し直さなければなりません。
今回は直ぐに公図を取得し、お目当ての土地の位置と地番を確認して、結果として土地の所有者を調べることができました。

教訓です。広大な更地を見たら分筆を疑え、です。
公図を見てから、登記事項証明書を取得しないと、登記事項証明書の再取得が発生します。しかし、分筆が起きていなければ公図は無駄になってしまいます。分筆が起きているか否かを予め知る方法はありません(たぶん)。
このジレンマが、この投稿のタイトル「不動産登記事項証明書が先か公図が先か」になりました。

蛇足ですが、二筆の土地に跨って一棟の建物が建ってケースを思い出しました。頻繁ではありませんが、今回の分筆問題も含めて、時に面白い事案に遭遇することがあります。

最後になりますが、行政書士の許認可業務のどこに土地の所有者調査が出てくるのかと言えば、今回は道路占用許可に関する業務でした。占用しようとする道路の一部が私道であることが分かり、私道の所有者に連絡を取るために、その私道の所有者を調べたという経緯です。

宣伝です。弊所は、道路占用許可・道路使用許可の申請手続きを取扱っていますので、どうぞご利用ください。

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思い込みは失敗のもと、という話し(消防法)

ちょうどゴールデンウィークなので、お気楽な話題を書いてみようと思います。失敗談といえば、失敗談です。実害は出していませんので、ご安心を。

弊所は行政書士事務所としては、比較的消防法令等に強い事務所ではないかと思います。
お客様の建物の中で消防設備を観察することもありますし、消防署で手続きをすることもあります。
事務所の本棚には、こんな本があったりもします。
消防関係の書籍

そんな中で思い込みによる誤った理解をしていた条文がありました。

消防法第11条
製造所、貯蔵所又は取扱所を設置しようとする者は、(中略)許可を受けなければならない。(後略)

さて、ここで言っている「許可」は、何時受けるべき許可でしょうか?

この条文を正しく知っている方や知らなくても日本語を正確に理解できる方は、何のことやら不思議に思われるかもしれません。

でも、弊所は間違えました。
製造所、貯蔵所又は取扱所(以下「製造所等)と記します)を設置し、使えるようになってから、使うことの可否について「許可を受ける」ものだと思っていました。

たとえば、飲食店の営業許可なら、飲食店の施設を用意して、その施設を検査してもらって、許可を受けます。
この流れが染み付いていますので、製造所等でも設置した後に許可を受けるものだと思い込んだ訳です。

その後、「完成検査」「完成検査前検査」「仮使用」などの言葉から、前後関係が何やらオカシイと気付き、正しい理解に至りました。

日本語もよく読めば「設置しようとする者は」と書いてあるので、設置しようとした時点で許可を受けなければならないと、最初から正しく理解できたはずなのでした。

全ては思い込みが原因であり、恐ろしいことです。

一応、正しい流れを記します。

  1. 製造所等の設置工事を計画する
  2. 許可申請し、許可を受ける
  3. 設置工事に着手する
  4. 必要な場合は、完成検査前検査を申請し、完成検査前検査を受ける
  5. 工事が終了する
  6. 完成検査を申請する
  7. 完成検査を受ける(完成検査済証の交付を受ける)
  8. 製造所等の使用を開始する

製造所等を設置しようとする場合の許可の申請先は、消防署ではなくて、市町村長(消防が設置されていない市町村では、都道府県知事)です。

最後に蛇足的ではありますが、前掲の写真の「消防・建築法規のドッキング講座」という本は、なかなか面白いです。
消防法規と建築法規の関係性が分かります。
行政書士として許認可モノの業務でお客様の建物を見る時や消防職員の方と話しをする時などに、読んでおくと助かるかもしれない一冊です。

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契約書を作成することの効用の話し

皆さんは、契約書を作成することの効用をどう思われますか?

小さな会社の社長さんが、取引先から契約書を取り交わすことを迫られ、弊所に相談にいらした時のことです。
社長さん曰く「契約書なんてコスト(時間・手間・お金)が発生するだけで、売上のプラスになりゃしない。プンプン(怒)」。

話しを聞いていくと、この契約書は役務提供の基本契約書で、年間の売上は数万円程度の見込みなのだそうです。
費用と効果の関係を考えれば、社長さんの怒りも理解できる気がします。
「コスト憎し」で怒っていますが、取引先との良好で円満な関係維持のため、大人な態度で相談は続きます。

さて、一般に言われていることですが、契約は口頭で成立し、契約書は口頭で交わした契約を書面に記録したものです。
商店で100円の商品を売るのに、商店と買い手の間で契約書を作成することは、さすがにないと思います。
その一方で、やはり「これは契約書が必要だろう」という契約はあります。

私見ではありますが、小規模な事業者さんは、売上・利益に直接の影響のある事業運営に注力していて、コストとなる契約書の作成には興味のない方が多いように思います。

契約書の作成に興味のない方に向けて、契約書を作成しておくことの効用を記します(一般的に言われていることに私の実感を交えています)。

  • 契約書という書面が残っていることにより、以下のようなことが防止できる。
    • 「言った。言わない。」
    • 後日の記憶違い
    • 少し変わったケースでは、スタンドプレー気味の営業担当者が退職してしまって、契約の詳細が経営者にも分からない。
  • 想定される揉め事がある場合には、契約書の案文を契約当事者の双方で確認しあう中で、どのように決着するか予め決めておくことになる。つまり、将来本当に揉め事の原因となる事象が発生してしまっても、ケンカ(=裁判沙汰)をせず、スマートに事態を収拾できる。
  • 契約書という書面が残ることにより、客観性が確保できる。客観性とは、裁判になったときに、裁判所が見るということです。私自身は裁判沙汰の経験はありませんが、某行政庁に私自身が当事者である契約書のコピーを提出して、客観性に助けられた経験があります。

このように、売上や利益に直結することはなくても、契約書はトラブルを防止し、皆さん自身を守る効用があります。

この記事をお読みいただいたのを機に、契約書を作成することに興味を持っていただけたら、と思います。

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離婚協議書アプリを作りました

弊所は行政書士事務所として、離婚協議書を作成する業務を取扱っています。その中で、離婚協議書アプリがあったら役に立つ場合もあるかもしれないと思い、アプリを作ってみました。以下に経緯を説明いたします。

時々「離婚協議書について相談したい」という電話がかかってきます。事務所にお越しいただきお話しを聞いてみると、書籍・インターネット・離婚カウンセラー・市民相談窓口などで既に情報収集をしてきていて、更に弊所に情報収集の補強にお越しになっているように感じます。

相談者様が100%発言するのが「公正証書の離婚協議書を作成して、強制執行できるようにしたい」です。

公正証書は、夫婦で協議を行い、その協議結果を紙に書き、公証役場に行くことで、作成することができます。

しかし、諸々の事情があるのだろうと思いますが、なかなか公正証書の作成に行き着いていないように思います。

より短距離で公正証書の離婚協議書に行き着いていただくために、通常の行政書士業務としての離婚協議書作成業務をアプリに実装してみました。アプリならば、心理的なハードルが下がり、公正証書作成に向けて行動し易くなるかもしれないと思うからです。

行政書士の通常の離婚協議書作成業務は、協議すべき事項を案内し、夫婦の協議結果を紙に書いてまとめ、公証役場に引き継ぐことです。これをアプリでやります。

協議すべき事項は、個別の場合で多少幅がありますが、ほぼ決まっています。

民法766条1項では、以下が規定されています。

  • 子の監護をすべき者(←親権者のことです)
  • 子との面会及び交流に関すること
  • 子の監護に要する費用の分担(←養育費のことです)
  • その他に子の監護に必要な事項

民法768条1項では、以下が規定されています。

  • 財産の分与

相談者様は「養育費は〇〇円で合意している」などと言います。しかし、それでは協議が足りません。

  • いつから支払いが始まるのか
  • いつまで支払うのか(子が成人する月までなのか、たとえば大学卒業の月までなのか等)
  • 毎月、何日までに払うのか
  • 養育費の振込口座は何処なのか
  • 振込手数料は誰が負担するのか
  • 子の進学や病気などで通常の養育費で足りないときはどうするのか
  • 養育費の支払いが滞ったらどうするのか(どうなるのか)

養育費ひとつを取っても、これくらいまで協議をしなければなりません。人によっては、ボーナス月は〇〇円加算などと合意する場合もあります。複数の子がいれば、それぞれの子で、条件が違う場合もあります。

離婚協議書アプリは、協議すべき事項を案内し、夫婦の協議結果を記録します。その記録を印刷すれば、公証役場に持って行くことができます。

きちんと協議ができた状態で公証役場に行けば、あとは公証役場が公正証書を作ってくれます(公証役場に行く時は事前の電話連絡が必要です)。

離婚協議書アプリの詳しい紹介は、離婚協議書アプリのページをご覧ください。

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今すぐ借用書を作ってほしい・・・|アプリなら、できるかもね!?

午後3時を過ぎて「今すぐ借用書を作ってほしい」という電話が掛かってきたことがあります。その日の夕方には、お金を貸してくださる方に借用書を差し入れる必要があるのだそうです。電話を掛けてこられた方(=お客様)の必死さが、伝わってきます。

この電話を受けたとき、私は事務所の外にいたのですが、用事は済んでおり、2~30分あれば事務所に戻れる状況でありましたので、お客様には事務所までお越しいただけるよう伝え、自分自身も大急ぎで事務所に戻ったのでありました。

事務所でお客様と合流し、ヒアリングを行い、「少し待ってくださいね」と文書を速攻で作り、完成した文書を引渡すところまで、所要時間は3~40分といったところで、午後5時より前にはお客様は事務所を後にされたと思います。

この時は、お客様はラッキーであったと思います。私の時間が空いており、ご希望通り、すぐに対応ができたからです。

私の普段の業務は、「今すぐに・・・」というような性質のものではありません。時間が空いていない場合は、注文を受けた順序で処理するのがルールになっています。しかし、切羽詰まって必死なお客様が「今すぐに・・・」と訴えるなら、どうにか応えてさしあげる方法はないか、と思っていました。

生身の行政書士の時間が空いていなくても、お客様に対応する方法・・・生身でなければ機械だ・・・今の時代なら「アプリ」だ、と思い至りました。

という訳で、この度「借用書を作成するアプリ」を作りました。

アプリは、親しく信頼関係のある間柄でお金を貸し借りする場合【限定】でご使用いただけます。

金融機関等から借りるなら金融機関等が契約書を用意するはずです。業者ではない個人が好意・厚意でお金を貸すから「借用書を差し入れてね」という話しになり、借りる側が「今すぐ借用書を作ってほしい・・・」と行政書士事務所に依頼する、という図式を思い浮かべれば、上述の場合【限定】であっても不都合はないと思います。

「今すぐに・・・」に応える目的でありましたので、利用者登録をしていただければ、すぐにアプリを操作できます。このアプリ利用は有償であり、お支払いは後払いです。まずはお金を貸してくださる方に借用書を差し入れて、それからアプリ利用料をお支払いいただければ結構です。

元々、弊所の近隣のお客様を思い描いて作ったアプリですが、アプリといえばインターネットに公開されている訳で、日本全国でご利用いただけることに後になって気付きました。

よろしければ、借用書作成アプリをご利用ください。案内ページ・アプリの入口ページもご覧ください。

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消防設備業届出(東京都)の話し|不動産業等の派生事業としての消防設備業

私が一度も取り扱ったことのない業務の一つに東京都の消防設備業届出という手続きがあります。お客様から何度か問合せを受けたことがあり、私もこの業務を取扱ってみたいと思っていますが、受任に至ったことはありません。この投稿では、その事情と不動産業等の経営者様で消防設備業を始めたい方に向けた記述をしています。

本題の前に消防設備業届出について、少しだけ説明します。東京都の火災予防条例62条には消防設備業を営もうとする者は、あらかじめ、住所、氏名(法人にあつては所在地、名称及び代表者の氏名)その他必要な事項を消防総監に届け出なければならない。と規定されています。また、営業所が東京都以外に所在していても、東京都で営業する場合には、この条文が適用されることになっています。ちなみに、弊所が所在する市川市の火災予防条例には「消防設備業」の文字は見つかりませんでしたので、類似の手続きは無いものと思います(確証はありません)。他の市町村等の条例は調べていませんので、少なくとも東京では消防設備業届出が必要であると言っておきたいと思います。

さて、本題です。
この業務が受任に至らない事情を説明します。一例ですが、不動産業の経営者様からの問い合わせです。

建物管理業務の派生業務として、消防設備の点検・整備を実施したい。ついては、消防設備業届出をしたい。どうしたら良いか?

前出の条文の通り、「必要な事項」を届け出れば良い訳です。
届出書類にどのような項目があるのかと見てみると、

  • 消防設備士等の免状の写し
  • 保有する点検機器等

というのが目に付きます。

件の不動産業の経営者様は、在籍している社員の手が空いている時間で、派生事業として、消防設備の点検と整備を始めるのが目論見です。社内に消防設備士が在籍しておらず、点検機器等の調達もお金がかかってしまうことが理由となり、経営者様は数日後には諦めてしまったようです。

整備を諦めて、点検だけを行うことを考えてみると、講習により消防設備点検資格者を獲得する道もあるのですが、講習を受けるための受講資格が結構厳しかったりします。

そんなこんなで、私にお問合せいただいた方から、私がこの業務を受任することはなく、それどころか目論見が成立せず気落ちしてしまう経営者様に対して、私が悪いことをしたような気分にもなります。

最後に、自社の社員で消防設備業を始めたい経営者様に向けて、私が把握している事柄をご案内します。

  • 消防設備士の乙種の試験は、受験資格に制限がなく、誰でも受験できる。つまり、自社の社員に受験させることができるので、自社内に消防設備士を在籍させることのできる可能性がある。
  • 消防設備士の試験に合格し免状を受けても、すぐに現場で通用する技術が身についている訳ではない。つまり、経営者様が免状を受けた社員に技術を身に付けさせる方法を用意しなければならない。
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防火対象物使用開始(変更)届出は、けっこう神経を使います、という話し

飲食店営業の許可申請手続きに付随して、防火対象物使用開始(変更)届出という手続きをすることがあるのですが、年末でもあり防火に関する話題も良いだろうと思いまして、標題の通りのテーマについて書いてみます。特段に堅い話しでもなくて、こぼれ話的な内容になります。

防火対象物使用開始(変更)届出は、市町村等の条例で定められた手続きです。書類の書き方は、知っていれば、そう難しいものでもありません。書類の書き方を知らなくても、ビル所有者様が過去に提出した防火対象物使用開始(変更)届出の副本を見せてもらえば、真似をして書類を作ることができます。しかし、書類そのものは簡単でも、その前後に神経を使う場面があり、一言で「簡単」と片付けられない性格の手続きになっています。

私の実体験を少し紹介します。私としては、こぼれ話として捉えていますので、軽く読み流してください。

  • ビルの一部分にテナントとして入居した飲食店経営者様のために、消防署に防火対象物使用開始(変更)届出書を提出に行ったところ、そのビルの消防用設備等の定期点検報告書が長期間に渡って提出されておらず、それが論点となってしまい、防火対象物使用開始(変更)届出書の提出にたどり着くのに難儀してしまった。【消防用設備等の定期点検】
  • 絨毯に防炎タグが付いておらず、防炎物品か否かの判別ができない。【防炎規制】
  • お店の内装を変更して部屋を区切った結果で、自動火災報知設備の感知器を増設しないといけないんじゃないの?【感知区域】

などなど。

是正が必要なら、関係者を動かさなければならないし、お金と時間のかかる話しです。消防手続きをするにあたっての前提として、「円滑な飲食店開業」という大きな課題があるので、この課題を脅かす要因になるかもしれない事柄に、私は神経を使ってしまう訳です。

火災はビル全体の問題であり、防火管理は、ひとつのテナントだけが頑張ってもダメで、他所のテナントもビル所有者も一体となって取り組まなくては実現しません。私が直接担当するテナント様は、私の話しを聞き入れてくださいますが、他所のテナント様やビル所有者様は、防火管理に関心がない場合もあり、「難しいなぁ」と感じることもあります。

最後に、「これぞ、こぼれ話し」というのを紹介します。
消防検査で消防署の方が飲食店経営者に問いました。
「天ぷら鍋に火が着いて、自動火災報知設備が作動した。さて、貴方がやるべきことは何か?」
答えは「電話で119番通報する」です。自動火災報知設備は、消防署につながっている訳ではなく、自分で119番に電話しなければならない、という教えです。消防署の方がわざわざ話題にしたくらいなので、「一般的に知られていない」ということだろうと思います。

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令和2年10月の改正建設業法施行の話し|経営管理者の要件緩和など

改正された建設業法が令和2年10月1日に施行されることは、既にご案内の通りですが、建設業法施行令、建設業法施行規則が出揃いました。

建設業法施行令:令和2年5月20日官報252号 政令171号
建設業法施行規則:令和2年8月28日官報号外178号 国土交通省令69号

弊所のお客様になっていただける比較的小規模な建設業者様向けに、建設業許可の新規取得に関する部分にポイントを絞ってご案内いたします。

1.経営管理者の要件緩和

建設業許可を取得するには、1業種のみ希望の場合で、その業種に関して5年の経営経験が必要です。
新規に建設業許可取得をご希望の方で、時々あるご相談が「建設会社勤めを辞めて、自分の建設会社を作って2~3年と日が浅い。でも、建設業許可が欲しい。」というものです。

見出しは「経営管理者の要件緩和」となっていますが、元がお勤めの方で独立して日の浅い方は、「経営管理者の要件緩和」の恩恵は受けられないようです。

誤解を恐れず平たく表現すると、緩和された結果、以下のいずれかでOKということになりました。
1.建設業者の幹部として、5年以上経営管理(または6年以上経営管理の補助)を経験していること。
2.その会社に5年以上勤めている番頭さんや幹部がいて、経営管理者になろうとする本人も会社役員の経験が5年以上あって、5年の役員経験のうち2年は建設業に関する経験であること。

つまり、経営管理者になろうとする方には、「5年」という期間がついてまわる訳です。

建設業法改正の背景からも想像できることですが、比較的高齢の経営者が引退したときに、少し経験の不足している後継者でも経営管理者として認める、という趣旨だと思います。

繰り返しになりますが、元がお勤めで独立して5年を経過しない方は、要件緩和の恩恵はありませんので、まずは独立後の会社で5年を目指していただきますようお願いします。

2.社会保険への加入徹底

今後は建設業許可申請に先立って、経営管理者が社会保険に関する届出をすることが建設業許可の許可要件になりました。

私は現時点でこの届出書を見たことがないので、詳しいことは分かりませんが、厳しさが増したことは間違いなさそうです。

現状は、弊所で取り扱わせていただいた建設業者様には滅多にないことですが、社会保険未加入であっても、社会保険に加入しないまま建設業許可申請をすることが可能で、許可を受けた後(または許可と同時)に行政指導を受けて社会保険に加入することで対応していました。

今後は、建設業許可を申請しようとする時点で、社会保険に関する関門ができた、という感じでしょうか。

建設業許可申請の実務の視点でいうと、まだ推測ですが、申請書の確認資料として、社会保険に関する届出書のコピーが必要になるのではないかと思います。

以上2点が弊所のお客様向けのご案内です。

ご不明点等は、弊所までお問合せください。

建設業許可に関する業務を承ります。お気軽にご連絡くださいませ。

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