動物取扱業登録の話し

動物を取り扱う事業を行うには、第一種動物取扱業の登録を受ける必要があります。根拠となる法律は、「動物の愛護及び管理に関する法律」(昭和48年法律第105号)です。どのような事業を行う場合にこの登録を受ける必要があるかは、行政のWEBページに例示があります。また、例示にないもので、私が思い付くものに猫カフェなどがあります。
(千葉県)https://www.pref.chiba.lg.jp/eishi/pet/doubutsu/animal-business.html

さて、この第一種動物取扱業の登録ですが、登録を受けるためにクリアしなければならない条件があります。条件をクリアしなければ登録を受けられないということは、実施的には許可を受けるのと同じ意味合いです。しかし、許可ではなく単なる登録なので、行政から「動物取扱業を行って宜しい」というお墨付きをもらっていることとは異なります。つまり、登録したことにより行政の監督下に入り、定められルールを守りながら責任ある事業運営を推進する立場に置かれることになると考えられます。

その登録のための条件ですが、以下の2つが主なキーワードになると思います。

  1. 動物取扱責任者
  2. 飼養施設

項1の動物取扱責任者については、半年以上の実務経験がある、1年以上の学校教育を受けて卒業した、資格を得ている、の3つうちのいずれかを満たしている必要があります。実務経験や学校卒業が難しい場合には、資格を得る道があります。取り扱うことできる動物が犬限定でよければ、1日のみの講習+試験で得られる資格もあるようです。全ての種類の動物を取り扱うことのできる資格もあります。自治体によって認めている資格が異なる場合があるようなので、それぞれの自治体にて確認が必要です。千葉県の場合は、以下のURLの通りです。https://www.pref.chiba.lg.jp/eishi/pet/doubutsu/documents/sekininshasikaku181204.pdf

項2の飼養施設については、備えるべき設備が定められています。その設備とは、ケージ等、照明設備、給水設備、排水設備、洗浄設備、消毒設備、廃棄物の集積設備、動物の死体の一時保管場所、餌の保管設備、清掃設備、空調設備、遮光等の設備、訓練場です。日中帯しか動物がいない施設では照明設備は不要、訓練を行わない施設では訓練場は不要などの場合がありますが、相応の設備が必要です。
また、飼養施設の構造にも規定があります。たとえば、ねずみ・はえ・蚊・ノミ等の侵入を防止できる構造であること、床・内壁・天井・附属設備は清掃が容易である等衛生状態の維持及び管理がしやすい構造であること、などです。

最後になりますが、第一種動物取扱業の登録を受けるために作成する書類は、それほど難しい書類ではありません。それでも登録のための条件を満たしているかどうか、法令等がどうなっているかなど、迷うことがある場合には是非弊所にご相談ください。

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墓地、埋葬等に関する法律の話し|焼骨をお墓に入れるのに許可は要るのか?

この法律は、少しだけ分かりにくい部分があるので、整理しておきます。

その分かりにくさは「埋蔵」「収蔵」の定義に起因していると思います。「埋蔵」「収蔵」の定義が曖昧なまま、法律を読み進めると、ある疑問が生じます。

その疑問とは「土葬で死体をお墓に入れるのに許可を受ける必要があるのに、火葬で焼いた骨をお墓に入れる許可に関する記述はどこにあるのか?」です。分かっている人にすれば「そんなバカな」という感じだと思いますが。でも、そんなにバカな話しでもないことは後述します。

この法律の第2条では、「埋葬」「火葬」とその他の語が定義されています。

「埋葬」とは「死体を土中に葬ること」、「火葬」とは「死体を葬るために、これを焼くこと」とされています。

さて、「埋葬」は一般的にいう「土葬」のことであるのは分かります。対して「火葬」も一般的な言葉であるので、これも分かります。

では、火葬で焼いた骨をお墓に入れることを法律語で何というのか?

これが「埋蔵」であり「収蔵」です。

「埋蔵」ついては第2条第3項の「墳墓」の定義で「焼骨を埋蔵」と出てきますし、「収蔵」については同条第6項の「納骨堂」の定義で「焼骨を収蔵」と出てきます。

つまり「埋蔵」「収蔵」は「火葬で焼いた骨」を対象にしていることが分かります。これが分かったところで第14条に進みます。

第14条 墓地の管理者は、第8条の規定による埋葬許可証、改葬許可証又は火葬許可証を受理した後でなければ、埋葬又は焼骨の埋蔵をさせてはならない。

第14条によれば、火葬許可証があれば焼骨の埋蔵までできると読めます。つまり、火葬で焼いた骨をお墓に入れるための単独・独立の許可というものは無い、ということになります。

「バカな話し」云々と前述しましたが、過去にある地方自治体から「火葬の場合同法第8条による許可証を交付する場合、「火葬許可証」のみでよいか。」という質疑が出され、回答も出ています(昭和42年3月7日環整第5015号)。この質疑は、墓地の管理者は火葬許可証があれば埋蔵してOKか?役所としては火葬許可証の他に埋蔵のための許可証を出さなくてよいのか?という趣旨です。私以外にも「火葬で焼いた骨をお墓に入れる許可が必要なのでは?」と質問した行政の職員さんがいた訳です。

蛇足的ですが、
第16条第2項 火葬場の管理者が火葬を行ったときは、火葬許可証に、省令の定める事項を記入し、火葬を求めた者に返さなければばらならない。

省令で定める事項とは「日時・署名・印」のことで、火葬場の管理者から返却された火葬許可証を墓地の管理者に提示すれば、焼骨をお墓に入れてもらえます(埋蔵)。「収蔵」についても同じで、第14条第2項に記述があります。

話しが前後してしまうようですが、火葬許可証は、死亡者本人の本籍地、届出をする人の所在地、死亡した地の市町村長が交付してくれます(第5条第2項)。

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建設業法の改正の話し|経営管理者の要件緩和など

令和元年6月12日、建設業法及び公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律の一部を改正する法律が公布されました(官報号外第33号・法律第30号)。施行は公布の日から1年6か月以内(技術検定関係等の一部は2年以内)ですので、未だ施行されていません。

建設業法と入契法の2つ法律の改正ですが、ポイントは3つです。

  1. 建設業の働き方改革の促進
  2. 建設現場の生産性の向上
  3. 持続可能な事業環境の確保

これらの改正が行われるのは、長時間労働が常態化している、現場の人材に限りがある、後継者難で建設業者が減少している、といった背景があります。

弊所は行政書士ですから、今回の改正を建設業法の「建設業許可」に注目して見てみます。

経営管理者の要件緩和

現在は過去5年以上の経営管理業務の経験が必要であるが、今後は経営管理を適正に行う能力を有していればOKとなる。つまり、能力さえあれば、5年を待たなくて良い。

事業承継がスムースに

事業譲渡・合併分割では事前に、相続では被相続人の死亡後に、それぞれ認可を受けることでスムースな事業承継ができる。

※現在は、親が建設業許可を有する個人事業主で、子が親のもとで働いていた場合、親が死亡すると建設業許可を手放す(廃業届を提出する・法第12条1号)しかありません。子は、改めて自分の名で建設業許可を取り直すことになります。

元請の監理管理技術者の兼任容認

元請が置くべき専任の監理技術者に、専任の補佐がついている場合は、監理技術者は複数現場の兼任が容認される。

下請の主任技術者の設置不要化

一定未満の工事金額などの条件を満たす場合に限られるが、元請の置く主任技術者が、下請が置くべき主任技術者の職務も兼任してくれる場合は、下請は主任技術者を置かなくてOKとなる。なお、更なる下請契約は禁止となる模様。

下請の標識掲示の不要化

現在は工事現場には建設業の許可業者である旨の標識を掲げる義務があるが、今後は下請の標識掲示義務がなくなる。

社会保険への加入徹底

社会保険に未加入の場合は、建設業の新規許可・更新許可が認められなくなる(法の条文には見つけられないのですが、おそらく政省令で仕組みを作るのだと思います)。

※現在は、社会保険未加入でも、一旦は新規許可が出ます。新規許可が出た後、社会保険に加入するように指導があり、その指導に従うことになります。

 

建設業許可の視点から見ると、だいたい以上だと思います。今後、政省令が整備され、もっと詳細なことが分かると思います。繰り返しになりますが、この改正は未だ施行されていませんので、お間違えのないようにお願いします。

最後にいつもの宣伝ですが、建設業許可申請手続きは、弊所にお任せください。

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だんだん見えてきた食品営業許可の見直しと食品営業届出制度の創設

平成30年6月13日、食品衛生法等の一部を改正する法律(官報号外126号・法律第46号)が公布されていました。

食品衛生法等の「等」とは、「食品衛生法」「と畜場法」「食鳥処理の事業の規制及び食鳥検査に関する法律」の3つなのですが、食品衛生法に関していえば、以下の7項目が改正になっています。

  1. 広域的な食中毒事案への対応強化
  2. HACCPに沿った衛生管理の制度化
  3. 特別注意を必要とする成分等を含む食品による健康被害情報の収集
  4. 国際整合的な食品用器具・容器包装の衛生規制の整備
  5. 営業許可制度の見直し、営業届出制度の創設
  6. 食品リコール情報の報告制度の創設
  7. 食品等の輸入及び輸出

項2については、この法律が公布されて早々に飲食店HACCPの話しで紹介しました。

今回は、項5の「食品営業許可の見直しと食品営業届出制度の創設」の全容がだんだんと見えてきたという話しです。

施行に向けたスケジュールは、2019年前半に政省令の公布、2019年後半に自治体条例改正、2021年に施行、ということになっています。そして、2019年前半も終わろうとしている今、全容が見えてきたという訳です。

要約すると、以下のような感じです。

  • 食品の製造業、調理業、加工を伴う販売業等は、許可が必要。
  • 温度管理等が必要な包装食品の販売業、保管業等は、届出が必要。
  • 常温で保存可能な包装食品のみの販売業等は、許可も届出も不要。
  • 従来の34の許可業種は、再編する。
  • 従来は自治体が独自に施設基準を定めていたが、厚労省令で統一的な施設基準を定める。

具体的には、あまりにも多岐に渡る内容なので紹介のしようもありませんが、ほんの一部の例を挙げると、

  • 従来はなかった「漬物製造業」が許可業種になる。
  • 消費期限表示の対象となる食品(弁当を含む)の販売業は、届出の対象となる。
  • 野菜果物販売業(つまり八百屋さんです)は、届出の対象になる。ちなみに八百屋さんは全国に14万件以上あるそうで、この14万件が一斉に届出をする必要に迫られることになるかもしれません。
  • 少々毛色が違いますが許可関係として、許可更新の際の申請書に「HACCPの取組」を記載することになる。つまり、HACCPの取組をやっていないと、申請書を書けないことになるかもしれません。

お断りしておきますが、まだ政省令は公布されておらず、これらの具体例は案の段階ですので、お間違えのないようにお願いいたします。

私が見ているのは、厚労省のWEBページです。
このWEBページには、まだ案の段階ですが、再編後の許可業種や届出対象業種について、その具体的な業種の資料もあります。
また4月26日の「食品の営業規制に関する検討会とりまとめ(政省令関係事項)」という資料は、とても興味深い資料です。

最後に宣伝ですが、食品営業に関する行政手続きは、弊所にお任せください。

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登録解体工事講習の話

建設業許可における業種として、平成28年6月から解体工事業が追加されたことは、建設業の皆様の間で比較的知られていることだと思います。

ここで、解体工事業の専任技術者に平成27年までに合格の以下のいずれかの資格者を充てる(充てている)場合は、「解体工事に関する実務経験1年以上」または「登録解体工事講習の受講」が必要とされています。

  • 1級土木施工管理技士
  • 1級建築施工管理技士
  • 2級土木施工管理技士(土木)
  • 2級建築施工管理技士(建築または躯体)

期限もあります。「解体工事に関する実務経験1年以上」または「登録解体工事講習の受講」を証明し、有資格区分の変更届を令和3年3月31日までに提出する必要があります。

タイトルになっている「登録解体工事講習」について紹介します。

現在は、2つの機関が講習を実施しています。以下のURLは、国土交通省です。
http://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/totikensangyo_const_tk1_000126.html

講習開催の案内です。

詳しいことは分かりませんが、いずれの機関も講習は1日で終了(4時間強程度)のようです。

繰り返しになりますが、「講習を受けたから安心」とはなりません。講習を受けて、その旨の「変更届」を提出して完了です。この変更届を提出しないと、令和3年3月31日以降に解体工事業許可を失いますから、注意が必要です。

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ここから先は、同業の行政書士の先生向けの話です。

上述の話に関連して、平成27年までに取得した1級建築施工管理技士の資格者を専任技術者に充て、解体工事業を含む複数の業種の許可申請をしようとしました。

その際、専任技術者証明書(様式第八号)の有資格区分(65)に「2A」つまり「1級建築施工管理技士(附則第4条該当」)を記載したところ、ある土木事務所窓口において「2A」「20」を併記するよう補正がありました。

詳しくは分かりませんが、「2A」は解体工事業のみに使用するコードということなのかもしれません。また、ローカルルールも存在するでしょうから、何とも言えないのですが、一応同業者様向けにご紹介しました。

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産業廃棄物収集運搬業の許可更新|2019年更新講習会と許可更新申請の時期

産業廃棄物収集運搬業の許可をお持ちの方はご記憶にあると思いますが、この許可を取得するために、講習会を受講なさったと思います。許可を更新するにあたっても、更新講習会の受講が必要です。

この更新講習会の2019年度の開催日程が発表になっています。千葉県での講習会の開催日程は、以下の通りです。

  • 2019年4月24日(水)千葉県教育会館
  • 2019年5月21日(火)千葉県自治会館
  • 2019年7月12日(金)千葉県自治会館
  • 2019年9月19日(木)千葉県自治会館
  • 2019年11月29日(金)千葉県自治会館
  • 2020年1月30日(木)千葉県自治会館
  • 2020年3月19日(木)千葉県自治会館

申し込み先は、(一社)千葉県産業資源環境協会です。

皆さまのご記憶では(一社)千葉県産業廃棄物協会であると思いますが、平成30年に名称が変更になっています。また、所在地も移転していて、千葉市中央区中央3丁目になっていますので、窓口で申し込まれる方はご注意ください。

更新講習会の修了証の有効期限は2年です。現在有効な許可の有効期限を確認して、2年を切ったら、更新講習を受講することをご検討ください。

講習会は全国共通で、他県でも受講できますが、混雑等により千葉県でも他県でも受講できないことも有り得ますので、早め受講をお勧めします。

混乱のないよう記述しますが、この記事には2つの「有効期限」が出てきています。

  • 講習会の有効期限
  • 許可の有効期限

「許可の有効期限」は、この期限を過ぎたら許可切れで、その後は収集運搬業を営むことができません。「講習会の有効期限」は、更新講習の場合は2年間有効で、この2年以内に許可の更新をする必要があります。

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もう一つ、許可の更新申請手続きを行う時期について触れておきます。

法令等の条文には、「許可の有効期間が満了する日の●日前から●日前までに申請してください」というような文言はありません。

千葉県の案内によると、「許可の有効期限の3か月前の月から申請の受付をしておりますので、許可の有効期限の日までに許可が得られるよう、余裕をもって申請してください」となっています。

千葉県の標準的な審査期間が60日なので、3か月前から2か月前までの間に許可の更新申請手続きを行えば、従前許可の有効期限の日までに更新の許可を得ることができることになります。

なお、許可の有効期限の日まで2か月を切ってしまうと許可の更新が受けられない、ということではありません。許可の有効期限の日までに許可の更新申請をすれば、間に合います。更新の許可を得る前に、許可の有効期限の日を過ぎてしまっても、更新の許可・不許可が決まる日までは従前の許可が有効ですので、業務を続けることができます。

そうは言っても、やはり余裕があることに越したことはありません。行政書士に許可の更新申請手続きをご依頼いただく場合は、許可の有効期限の4~5か月くらい前にご連絡いただくと、スムースに手続きが進みます。

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確認は行政書士に実施させてくださいね

数年前のこと、家族がある病気で某大学病院で手術をしました。
某大学病院には、別のお医者さまからの紹介で行きました。紹介状と共にMRIなどの検査結果も提出しました。
私は「MRIなどの画像はもうあるのだから、すぐにでも手術をするのだろう」と考えていましたが、大学病院では、担当のお医者さまの指示で、また別に新たなCT検査がありました。
私は「画像はもうあるのに、なんでまたニ重に検査をするのか?」と内心では不満に思っていたのですが、CT画像では手術予定の箇所がきれいに写っており、手術も滞りなく終わったのです。

私どもは、平日お忙しくてお役所等に行かれない方のために、代理で行政手続き等を行っています。

時々、お客さまご本人が必要書類を持参してくださるときがあります。お客さまの考えでは「必要な用紙もあるのだから、あとは記入して窓口まで行ってもらうだけ」なのだと思います。
そのためか、報酬額を聞いてびっくりされる方もいらっしゃいます。

ですが、窓口に行くのが本人なのか代理人なのかで、必要な書類(委任状や本人確認書類など)が違ってきますし、お役所ごとに手続きに些細な違いがあったりします(ローカルルールと呼んでいます)。
それを確かめるために、私どもの方でもう一度お役所に確認する作業が欠かせません。中には捨て印のできない書類もありますのでなおさらです(これらの作業が報酬額に反映されます)。

そう、確認は私どもの方でも慎重にやりたいのです。
そこをどう上手くお客さまに伝えればよいのか思案中です。

最近になって気が付きました。お医者さまも専門家として、自分で行う手術部位の確認は、自分の指示でやりたいですよね(多分)。

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ワクワクする気持ちの会社設立の話

私は行政書士ですから、法人を設立しようとする方に代わって定款を作成するサービスを提供しています。定款の認証が必要な場合は、その手続きも代行します。その後は司法書士さんに手続きを引き継ぎます。

また、私は、法人そのものについて説明したり、法人の設立手続きについて説明したりもします。

そんな中「会社を設立したいから、話を聞いてほしい」というお客様から電話がかかってきました。

会ってみると、このお客さまは、ご自身のビジネスプランについて嬉嬉として語り始めました。

曰く「ワクワクする気持ちです」。

お客さまが楽しそうなので、ずっと話を聞いていましたが、私としては会社設立の手続きについて説明をしなければなりません。

何故なら面談の冒頭で「会社を設立したいから、その手続きをしてほしい」とお客さまが発言していたからです。しかし、会社設立の手続きの話はさせてもらえません。

それどころか、このお客さまは私に向かって「この商品の売値って、いくらがいいと思いますか?」などと質問を始めました。

私の内心は「会社設立の手続きについて相談または依頼に来たのではないのか!?」と混乱気味になっています。

それでも私は「商品の仕入値、商品加工の人件費、販売の人件費、事務所家賃、通信費、水道光熱費、広告宣伝費、その他諸々の支出を積み上げて、更に会社が希望する利益を上乗せして、その合計額を予定の販売数で割ってください」などと答えました。

よくよく話をしてみると、このお客さまは、特にご自身の人件費について意識が薄いようでした。

このお客さま自身が社長になろうとしているのですが、「社長が自ら働けば人件費は払う必要がない」などと発言しています。私は、社長自身に収入がなければ生活できないことを指摘しました。

たしかに、事業が軌道に乗るまでは社長の報酬・給与をゼロにすることはあります。このお客さまは、自らの貯金を資本金として会社に出資してしまう訳ですが、事業が軌道に乗るまでの間を無収入にした場合、生活費が手元に残っているのかと尋ねると、「残っていない」といいます。

そんなこんなで、社長自身の希望収入も含め、予定の原価計算をすることを勧めました。需要の問題もあるし、売値の値ごろ感の問題などもありますが、売値を決めるために先ずは原価計算が必要である旨を指摘して面談を終わりました。

結局、会社設立の手続きについては、話はしていません。

まとめます。

このお客さまのように、新しいことを始めるには「ワクワクする気持ち」は重要だと思います。

その一方で計算も必要だと思います。

このブログをお読みの方で「会社をやりたいけれど、計算は苦手」という方は、弊所にご相談ください。きっと、お客さまのお力になれると思います。

会社設立の手続きとは別料金ですが、弊所ではご相談に応じます。

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相続法改正の話

今年の1月から来年の7月にかけて、改正された相続法が、順次施行されます。

改正の内容は多岐にわたりますが、高齢化、特に高齢女性の増加に対応して、残された配偶者の暮らしに配慮した改正になっています。

主なものを3つほど見てみましょう。

持ち戻し免除の意思表示の推定規定

婚姻期間が20年以上の夫婦間で、居住用不動産の遺贈または贈与がされたときは、遺産分割時の持ち戻し免除の意思表示があったものと推定されるようになります。つまり、配偶者が居住している不動産は遺産分割の計算の対象に含めなくてよいということです。

配偶者居住権の新設

配偶者の居住建物を対象として、終身または一定期間、配偶者にその使用を認める法定の権利を創設し、遺産分割等における選択私肢の一つとして、配偶者に配偶者居住権を取得させることができるようになります。

ただし、遺言による贈与や遺産分割によって定める必要があります。
権利が発生するのは、居住部分以外も含む建物の全ての部分です。
第三者対抗要件として登記出来ます。配偶者の登記請求権があります。

配偶者短期居住権の新設

配偶者が相続開始の時に、遺産に属する建物に居住していた場合には、遺産分割が終了するまでの間、無償でその居住建物を使用できるようになります。

相続開始で当然に権利が発生します。
権利が発生するのは建物の居住部分に限られます。

特別の寄与の規定見直し

相続人以外の被相続人の親族が、被相続人の療養看護等を行った場合に、一定の要件のもとで、相続人に対して金銭の請求ができるようになります。

施行日です。近いものから順に挙げます。

2019年1月13日施行

  • 自筆証書遺言の方式を緩和する方策

2019年7月1日施行

  • 遺産分割前の預貯金の払い戻し制度の創設
  • 遺留分制度の見直し
  • 相続の効力等に関する見直し
  • 特別の寄与等の規定見直し

2020年4月1日施行

  • 配偶者居住権及び配偶者短期居住権の新設等

2020年7月10日施行

  • 法務局における遺言書の保管等に関する法律(遺言書保管法)

改正法は、原則として、改正法の施行日後に開始した相続から適用されます。

現在作成している遺言書に改正法の内容を盛り込んだ場合は、その遺言書に係る相続等が施行日後に開始されれば、改正法が適用されることになります。

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下請けにおける建築一式工事・土木一式工事の話し(建設業許可)

建設会社を設立して数年の社長さんから「業績が好調で、500万円以上の請負も発生しそうだから、建設業許可を取りたい」との相談がありました。

欲しい許可業種は専門工事のうちの一つですが、「専任技術者を用意できるので、建築一式工事も欲しい」とのご希望です。専任技術者以外の許可要件も全てクリアできている様子です。

もちろん行政書士としては、よろこんで建設業許可の申請代理を承ります。

ただし、一つ注意があります。

この会社さんは、基本的には下請けのポジションで営業しているそうです。たまに一般家庭から家屋の修理依頼が直接的にあるそうですが、請負金額としては少額です。

建築一式工事(土木一式工事も)は、元請けとして請け負うための業種です。つまり、下請けのポジションである場合は、建築一式工事の許可を受けても「原則的に」使い道がありません。

「原則的に」ということは、例外があるのですが、通常は使い道がないと考えます。

とは言うものの、建築一式工事の許可を受けていることは、対外的なイメージの向上につながります。許可要件を満たせるなら、専門工事と併せて建築一式工事(土木一式工事)の取得をお勧めします。

別の会社さんの例です。

建築一式工事の許可を受けてウン十年の会社さんから、事業年度終了届の依頼を受けたときのことです。

ウン十年前の状況は分かりませんが、依頼を受けた時点では下請けのポジションで営業していました。

私がうっかりしていたのですが、工事実績として、下請け工事を建築一式工事のページに記載しました。

その結果、事業年度終了届の提出先である土木事務所で指導を受けました。曰く、原則的に「一式工事に下請けは無い」

以上、下請けにおける建築一式工事(土木一式工事)の話しでした。

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