令和2年10月の改正建設業法施行の話し|経営管理者の要件緩和など

改正された建設業法が令和2年10月1日に施行されることは、既にご案内の通りですが、建設業法施行令、建設業法施行規則が出揃いました。

建設業法施行令:令和2年5月20日官報252号 政令171号
建設業法施行規則:令和2年8月28日官報号外178号 国土交通省令69号

弊所のお客様になっていただける比較的小規模な建設業者様向けに、建設業許可の新規取得に関する部分にポイントを絞ってご案内いたします。

1.経営管理者の要件緩和

建設業許可を取得するには、1業種のみ希望の場合で、その業種に関して5年の経営経験が必要です。
新規に建設業許可取得をご希望の方で、時々あるご相談が「建設会社勤めを辞めて、自分の建設会社を作って2~3年と日が浅い。でも、建設業許可が欲しい。」というものです。

見出しは「経営管理者の要件緩和」となっていますが、元がお勤めの方で独立して日の浅い方は、「経営管理者の要件緩和」の恩恵は受けられないようです。

誤解を恐れず平たく表現すると、緩和された結果、以下のいずれかでOKということになりました。
1.建設業者の幹部として、5年以上経営管理(または6年以上経営管理の補助)を経験していること。
2.その会社に5年以上勤めている番頭さんや幹部がいて、経営管理者になろうとする本人も会社役員の経験が5年以上あって、5年の役員経験のうち2年は建設業に関する経験であること。

つまり、経営管理者になろうとする方には、「5年」という期間がついてまわる訳です。

建設業法改正の背景からも想像できることですが、比較的高齢の経営者が引退したときに、少し経験の不足している後継者でも経営管理者として認める、という趣旨だと思います。

繰り返しになりますが、元がお勤めで独立して5年を経過しない方は、要件緩和の恩恵はありませんので、まずは独立後の会社で5年を目指していただきますようお願いします。

2.社会保険への加入徹底

今後は建設業許可申請に先立って、経営管理者が社会保険に関する届出をすることが建設業許可の許可要件になりました。

私は現時点でこの届出書を見たことがないので、詳しいことは分かりませんが、厳しさが増したことは間違いなさそうです。

現状は、弊所で取り扱わせていただいた建設業者様には滅多にないことですが、社会保険未加入であっても、社会保険に加入しないまま建設業許可申請をすることが可能で、許可を受けた後(または許可と同時)に行政指導を受けて社会保険に加入することで対応していました。

今後は、建設業許可を申請しようとする時点で、社会保険に関する関門ができた、という感じでしょうか。

建設業許可申請の実務の視点でいうと、まだ推測ですが、申請書の確認資料として、社会保険に関する届出書のコピーが必要になるのではないかと思います。

以上2点が弊所のお客様向けのご案内です。

ご不明点等は、弊所までお問合せください。

建設業許可に関する業務を承ります。お気軽にご連絡くださいませ。

この記事を気に入っていただけましたら、シェアをお願いいたします。

古物商許可が失効する!?|令和2年3月31日までに届出が必要です

古物営業法の改正があり、令和2年4月1日から全面施行されます(平成30年4月25日官報号外92号法律第21号、令和元年11月22日官報号外166号政令165号)。

ここに、現在古物商を営んでいる方が気を付けなければならない条文があります。

附則 第2条第3項
この法律の施行前に第一項の規定による届出をした古物商又は古物市場主であって、この法律の施行の際現にこの法律による改正前の古物営業法(附則第四条において「旧法」という。 ) 第三条の規定による許可(次条において「旧法許可」という。 ) を受けているもの(当該届出をした日からこの法律の施行の日(次条において「施行日」という。 ) の前日までの間に当該届出の内容の全部又は一部について変更があった者を除く。) は、それぞれ、主たる営業所又は古物市場の所在地を管轄する公安委員会によるこの法律による改正後の古物営業法(附則第四条において「新法」という。 ) 第三条の規定による許可(次条において「新法許可」という。 ) を受けているものとみなす。

普通の言葉で言うと現在、古物商を営んでいる者は、届出をすれば法律改正後も許可が存続する。逆に言えば、届出をしないと許可が失効するとなります。

では、何を届出するのか?と言えば、主たる営業所です。

  • 営業所が2つ以上ある場合は主たる営業所を自分で決めて、主たる営業所を届出ます。
  • 営業所が1つしかない場合でも、その1つしかない営業所を主たる営業所として届出ることが必要になります。
  • また、2つ以上の都道府県から許可証を受けている場合には、令和2年3月31日までの主たる営業所の届出の他、令和2年4月1日以降1年以内にもう一度警察署に書類提出(旧許可証の添付が必要)があります。

重要なことなので、強調しておきます。

『今年の4月1日以降も引き続き古物商を営む方は、確実に届出を行ってください。』

届け出を怠り、許可を失効させてしまうと、最初から改めて許可を申請・取得しなおさなければなりません。

期限は令和2年3月31日です。

届出先は、主たる営業所の所在地の所轄警察署長です。

なお、ここまで古物商に特化したような書き方になっていましたが、古物市場の場合も事情は同じです。

さて、毎度の宣伝です。
弊所では主たる営業所の届出の代行を承ります。遅くとも令和2年3月15日までにはお申込みください(電話は平日、土日祝日とも19:00までOKです)。お申込みにあたっては、許可証と許可申請書(届出書を含む)の控えをご用意ください。報酬額(料金)は税込27,500円です。平日に警察署に行けない方は、ぜひご利用ください。

この記事を気に入っていただけましたら、シェアをお願いいたします。

建設業法の改正の話し|経営管理者の要件緩和など

令和元年6月12日、建設業法及び公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律の一部を改正する法律が公布されました(官報号外第33号・法律第30号)。施行は公布の日から1年6か月以内(技術検定関係等の一部は2年以内)ですので、未だ施行されていません。

(2020.05.22加筆開始)令和元年8月30日官報82号において、施行日は令和2年10月1日(技術検定関係等の一部は令和3年4月1日)であると発表されています。(2020.05.22加筆終了)

建設業法と入契法の2つ法律の改正ですが、ポイントは3つです。

  1. 建設業の働き方改革の促進
  2. 建設現場の生産性の向上
  3. 持続可能な事業環境の確保

これらの改正が行われるのは、長時間労働が常態化している、現場の人材に限りがある、後継者難で建設業者が減少している、といった背景があります。

弊所は行政書士ですから、今回の改正を建設業法の「建設業許可」に注目して見てみます。

経営管理者の要件緩和

現在は過去5年以上の経営管理業務の経験が必要であるが、今後は経営管理を適正に行う能力を有していればOKとなる。つまり、能力さえあれば、5年を待たなくて良い。

(2020.05.22加筆開始)加筆日現在、省令案が出ていて、パブリックコメント募集中です。従来の「過去5年以上の経営管理業務の経験」はもちろん、「建設業の役員2年の経験」プラス「他の条件」でも経営管理者になれそうです。(2020.05.22加筆終了)

(2020.08.30加筆開始)2020.08.28に省令が出ました。内容については、別の投稿でご案内いたします。(2020.08.30加筆終了)

事業承継がスムースに

事業譲渡・合併分割では事前に、相続では被相続人の死亡後に、それぞれ認可を受けることでスムースな事業承継ができる。

※現在は、親が建設業許可を有する個人事業主で、子が親のもとで働いていた場合、親が死亡すると建設業許可を手放す(廃業届を提出する・法第12条1号)しかありません。子は、改めて自分の名で建設業許可を取り直すことになります。

元請の監理管理技術者の兼任容認

元請が置くべき専任の監理技術者に、専任の補佐がついている場合は、監理技術者は複数現場の兼任が容認される。

下請の主任技術者の設置不要化

一定未満の工事金額などの条件を満たす場合に限られるが、元請の置く主任技術者が、下請が置くべき主任技術者の職務も兼任してくれる場合は、下請は主任技術者を置かなくてOKとなる。なお、更なる下請契約は禁止となる模様。

下請の標識掲示の不要化

現在は工事現場には建設業の許可業者である旨の標識を掲げる義務があるが、今後は下請の標識掲示義務がなくなる。

社会保険への加入徹底

社会保険に未加入の場合は、建設業の新規許可・更新許可が認められなくなる(法の条文には見られないのですが、おそらく政省令で仕組みを作るのだと思います)。

(2020.05.22加筆開始)加筆日現在、省令案が出ていて、パブリックコメント募集中です。省令に「適切な社会保険に加入していること」の旨の条文が登場するようです。(2020.05.22加筆終了)

(2020.08.30加筆開始)2020.08.28に省令が出ました。内容については、別の投稿でご案内いたします。(2020.08.30加筆終了)

※現在は、社会保険未加入でも、一旦は新規許可が出ます。新規許可が出た後、社会保険に加入するように指導があり、その指導に従うことになります。

 

建設業許可の視点から見ると、だいたい以上だと思います。今後、政省令が整備され、もっと詳細なことが分かると思います。繰り返しになりますが、この改正は未だ施行されていませんので、お間違えのないようにお願いします。

最後にいつもの宣伝ですが、建設業許可申請手続きは、弊所にお任せください。

この記事を気に入っていただけましたら、シェアをお願いいたします。