相続法改正の話

今年の1月から来年の7月にかけて、改正された相続法が、順次施行されます。

改正の内容は多岐にわたりますが、高齢化、特に高齢女性の増加に対応して、残された配偶者の暮らしに配慮した改正になっています。

主なものを3つほど見てみましょう。

持ち戻し免除の意思表示の推定規定

婚姻期間が20年以上の夫婦間で、居住用不動産の遺贈または贈与がされたときは、遺産分割時の持ち戻し免除の意思表示があったものと推定されるようになります。つまり、配偶者が居住している不動産は遺産分割の計算の対象に含めなくてよいということです。

配偶者居住権の新設

配偶者の居住建物を対象として、終身または一定期間、配偶者にその使用を認める法定の権利を創設し、遺産分割等における選択私肢の一つとして、配偶者に配偶者居住権を取得させることができるようになります。

ただし、遺言による贈与や遺産分割によって定める必要があります。
権利が発生するのは、居住部分以外も含む建物の全ての部分です。
第三者対抗要件として登記出来ます。配偶者の登記請求権があります。

配偶者短期居住権の新設

配偶者が相続開始の時に、遺産に属する建物に居住していた場合には、遺産分割が終了するまでの間、無償でその居住建物を使用できるようになります。

相続開始で当然に権利が発生します。
権利が発生するのは建物の居住部分に限られます。

特別の寄与の規定見直し

相続人以外の被相続人の親族が、被相続人の療養看護等を行った場合に、一定の要件のもとで、相続人に対して金銭の請求ができるようになります。

施行日です。近いものから順に挙げます。

2019年1月13日施行

  • 自筆証書遺言の方式を緩和する方策

2019年7月1日施行

  • 遺産分割前の預貯金の払い戻し制度の創設
  • 遺留分制度の見直し
  • 相続の効力等に関する見直し
  • 特別の寄与等の規定見直し

2020年4月1日施行

  • 配偶者居住権及び配偶者短期居住権の新設等

2020年7月10日施行

  • 法務局における遺言書の保管等に関する法律(遺言書保管法)

改正法は、原則として、改正法の施行日後に開始した相続から適用されます。

現在作成している遺言書に改正法の内容を盛り込んだ場合は、その遺言書に係る相続等が施行日後に開始されれば、改正法が適用されることになります。

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