墓地、埋葬等に関する法律の話し|焼骨をお墓に入れるのに許可は要るのか?

この法律は、少しだけ分かりにくい部分があるので、整理しておきます。

その分かりにくさは「埋蔵」「収蔵」の定義に起因していると思います。「埋蔵」「収蔵」の定義が曖昧なまま、法律を読み進めると、ある疑問が生じます。

その疑問とは「土葬で死体をお墓に入れるのに許可を受ける必要があるのに、火葬で焼いた骨をお墓に入れる許可に関する記述はどこにあるのか?」です。分かっている人にすれば「そんなバカな」という感じだと思いますが。でも、そんなにバカな話しでもないことは後述します。

この法律の第2条では、「埋葬」「火葬」とその他の語が定義されています。

「埋葬」とは「死体を土中に葬ること」、「火葬」とは「死体を葬るために、これを焼くこと」とされています。

さて、「埋葬」は一般的にいう「土葬」のことであるのは分かります。対して「火葬」も一般的な言葉であるので、これも分かります。

では、火葬で焼いた骨をお墓に入れることを法律語で何というのか?

これが「埋蔵」であり「収蔵」です。

「埋蔵」ついては第2条第3項の「墳墓」の定義で「焼骨を埋蔵」と出てきますし、「収蔵」については同条第6項の「納骨堂」の定義で「焼骨を収蔵」と出てきます。

つまり「埋蔵」「収蔵」は「火葬で焼いた骨」を対象にしていることが分かります。これが分かったところで第14条に進みます。

第14条 墓地の管理者は、第8条の規定による埋葬許可証、改葬許可証又は火葬許可証を受理した後でなければ、埋葬又は焼骨の埋蔵をさせてはならない。

第14条によれば、火葬許可証があれば焼骨の埋蔵までできると読めます。つまり、火葬で焼いた骨をお墓に入れるための単独・独立の許可というものは無い、ということになります。

「バカな話し」云々と前述しましたが、過去にある地方自治体から「火葬の場合同法第8条による許可証を交付する場合、「火葬許可証」のみでよいか。」という質疑が出され、回答も出ています(昭和42年3月7日環整第5015号)。この質疑は、墓地の管理者は火葬許可証があれば埋蔵してOKか?役所としては火葬許可証の他に埋蔵のための許可証を出さなくてよいのか?という趣旨です。私以外にも「火葬で焼いた骨をお墓に入れる許可が必要なのでは?」と質問した行政の職員さんがいた訳です。

蛇足的ですが、
第16条第2項 火葬場の管理者が火葬を行ったときは、火葬許可証に、省令の定める事項を記入し、火葬を求めた者に返さなければばらならない。

省令で定める事項とは「日時・署名・印」のことで、火葬場の管理者から返却された火葬許可証を墓地の管理者に提示すれば、焼骨をお墓に入れてもらえます(埋蔵)。「収蔵」についても同じで、第14条第2項に記述があります。

話しが前後してしまうようですが、火葬許可証は、死亡者本人の本籍地、届出をする人の所在地、死亡した地の市町村長が交付してくれます(第5条第2項)。

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