消防設備業届出(東京都)の話し|不動産業等の派生事業としての消防設備業

私が一度も取り扱ったことのない業務の一つに東京都の消防設備業届出という手続きがあります。お客様から何度か問合せを受けたことがあり、私もこの業務を取扱ってみたいと思っていますが、受任に至ったことはありません。この投稿では、その事情と不動産業等の経営者様で消防設備業を始めたい方に向けた記述をしています。

本題の前に消防設備業届出について、少しだけ説明します。東京都の火災予防条例62条には消防設備業を営もうとする者は、あらかじめ、住所、氏名(法人にあつては所在地、名称及び代表者の氏名)その他必要な事項を消防総監に届け出なければならない。と規定されています。また、営業所が東京都以外に所在していても、東京都で営業する場合には、この条文が適用されることになっています。ちなみに、弊所が所在する市川市の火災予防条例には「消防設備業」の文字は見つかりませんでしたので、類似の手続きは無いものと思います(確証はありません)。他の市町村等の条例は調べていませんので、少なくとも東京では消防設備業届出が必要であると言っておきたいと思います。

さて、本題です。
この業務が受任に至らない事情を説明します。一例ですが、不動産業の経営者様からの問い合わせです。

建物管理業務の派生業務として、消防設備の点検・整備を実施したい。ついては、消防設備業届出をしたい。どうしたら良いか?

前出の条文の通り、「必要な事項」を届け出れば良い訳です。
届出書類にどのような項目があるのかと見てみると、

  • 消防設備士等の免状の写し
  • 保有する点検機器等

というのが目に付きます。

件の不動産業の経営者様は、在籍している社員の手が空いている時間で、派生事業として、消防設備の点検と整備を始めるのが目論見です。社内に消防設備士が在籍しておらず、点検機器等の調達もお金がかかってしまうことが理由となり、経営者様は数日後には諦めてしまったようです。

整備を諦めて、点検だけを行うことを考えてみると、講習により消防設備点検資格者を獲得する道もあるのですが、講習を受けるための受講資格が結構厳しかったりします。

そんなこんなで、私にお問合せいただいた方から、私がこの業務を受任することはなく、それどころか目論見が成立せず気落ちしてしまう経営者様に対して、私が悪いことをしたような気分にもなります。

最後に、自社の社員で消防設備業を始めたい経営者様に向けて、私が把握している事柄をご案内します。

  • 消防設備士の乙種の試験は、受験資格に制限がなく、誰でも受験できる。つまり、自社の社員に受験させることができるので、自社内に消防設備士を在籍させることのできる可能性がある。
  • 消防設備士の試験に合格し免状を受けても、すぐに現場で通用する技術が身についている訳ではない。つまり、経営者様が免状を受けた社員に技術を身に付けさせる方法を用意しなければならない。
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